2020年10月23日金曜日

オータムセール開催のお知らせ

【オータムセール開催のお知らせ】

いつも当店をご利用いただきありがとうございます。

ウエストウッドアンティークスでは、10/24(土)から10/31(土)までの期間、オータムセールを開催いたします。商品価格より20%OFFのお値引価格にてご提供しますので、ぜひこの機会にご利用くださいませ。

一部30~50%OFFの特別価格の商品もございますので、お気軽にお問い合わせください。




2020年10月13日火曜日

サビノとは

 マリウス・サビノ(Marius Sabino)とは、アールデコ期に名をはせたガラス工芸家。1878年にイタリアのシチリアで生まれた彼は、4歳の時にフランスへと移住します。パリ国立高等美術学校で学んだサビノは当時新しい産業であった照明製造に興味を持ち、特に同分野におけるガラスの積極的活用に商業的価値を見出しました。






第一次世界大戦より帰還したサビノは1919年にサビノガラスカンパニーを設立します。そしてガラス制作に取り掛かったサビノを一躍有名にしたのがオパルセントガラスです。サビノの手がけるオパルセントガラスは他社と比べてヒ素の含有率が高く、まるで青空に揺蕩う雲のように光の当たり方によって豊かな表情を見せました。

ガラス工芸家として有名になったサビノは1927年に豪華客船イル・ド・フランスのためにランプを制作し、そして1935年にはかの有名なノルマンディーの壮大な応接間の照明設備も手がけました。

1939年に勃発した第二次世界大戦のために工場での生産は一度中断を余儀なくされます。戦後、事業は甥で養子でもあるグリポワ・サビノへと託されました。マリウス・サビノ本人は1961年に亡くなりましたので、その後新たに鋳型が製造されることはありませんでした。サビノカンパニーは現存する会社ではありますが、そのため古くから存在する鋳型を使ったガラス製品の製造のみを続けている形になります。









サビノのサインには2種類あります。1つが"Sabino France"、もう1つが"Sabino Paris"です。前者は輸出を想定して、後者は国内での販売向けにと使い分けられていました。また”Sabino France"は主に小ぶりな作品に鋳型を用いて刻印され、一方"Sabino Paris"は大型の作品にエッチング手法で刻印されるという傾向もありました。

Mobilier et Decoration Mai 1927

Le Luminaire by Guillaume Janneau


サビノの照明デザインの中核には、「シャンデリアのガラスはデザインの一部ではなく、シャンデリアそのものである。」という考え方があります。ガラスはアート作品において重要な構成要素であると考える彼だからこそ、作品に巨大で大掛かりなものが多いのかもしれません。

by A

Simpsons of Halifax 社とは

№4466チッペンデールサイドボードには"Simpsons of Silver Street Halifax"とメーカーズマークが記されています。







Halifaxとはイングランド北部に位置する都市です。Simpsons of Halifax 社 は Halifaxにて1815年に小さな家族経営の会社として創業しました。創業からの成長は目覚ましいもので、その後イングランド北部において家具小売業者の最大手に名を連ねるまでとなりました。Halifax にある Silver Street だけでなく、London や Blackburn にも出店していました。ですが残念ながら、Simpsons of Halifax 社は1957年には廃業することとなります。



Simpsons of Halifax 社によるサイドボードは立体的で精巧な彫刻に彩られた、まさに豪華絢爛という言葉がふさわしい作品。お部屋に飾れば空間のセンターピースとして申し分ない活躍をしてくれることでしょう。

by A





2020年10月6日火曜日

Christopher Pratt & Sons 社とは

 Christopher Pratt & Sons 社は、1845年創業のキャビネットメーカー。

創始者である Christopher Prattは、21歳の時に転居先のBradfordにてキャビネットメーカー見習いとして歩みを始めました。

Bradfordにて5年間の修行期間を終えた後、自らの会社を興し同地の家庭やオフィス向けに家具をデザイン・制作し始めます。Christoper Pratt の制作した家具はその質の高さから顧客から確固たる信頼を得るに至りました。1900年までには14の部署を抱えるまでに成長しています。





多くのキャビネットメーカーが時代の波にもまれ廃業を余儀なくされています。そんな中で、Christopher Pratt & Sons 社は今もなお続く会社です。創業地は上記の通りBradfordですが、2003年にはLeedsにあるリージェントストリートに拠点を移しました。今ではイングランドにおいて最大規模を誇るオーダー家具店となっております。そして2004年、家具部門においてThe Home Furnishing Assosiationより、その年に最も活躍した小売店として表彰を受けています。1845年創業ですので、Christopher Pratt & Sons 社の歴史は170年以上。創始者のその事業と理念は、代々彼の息子たちにより受け継がれています。

by A

2020年10月3日土曜日

ジェネミッションとは

 アールデコ期に活躍した作家にジェネミッションという人物がいます。


ジェネミッションと表記すると1人の作家のように見えますが、実はそうではありません。ジェネミッションはフランス語表記にすると"Genet et Michon"。"et"は英語でいう"and"の意味合いですので、"Genet"と"Michon"の2人の人物が浮かび上がります。


フィリップ・ジェネット(Philippe Genet) と ルシアン・ミッション(Lucien Michon)は1911年に家具・照明の製造会社"Genet et Michon"をパリにて立ち上げました。そして1919年以降は特にシャンデリアやテーブルランプ、ウォールランプといった照明、そして花瓶を中心とした工芸品の制作に力を入れてゆきます。当時これらの照明は現フランスの大統領官邸であるエリゼ宮殿や領事館、省庁向けにデザインされました。


ジェネミッションの作品はアールデコの影響を強く受けており、無色で厚みのあるプレス成型のガラス作品が多く残されています。幾度に渡る試行錯誤の結果、薄いガラスよりも厚みのあるプレス成型ガラスの方が反射率と明度の点で優れていることを発見しました。また、明るさや光の柔らかさを損なうことがないように無色のガラスにこだわりを持ちました。

またジェネミッションは1920年代にはラリックと並んで、球体の天吊灯を初めて製作したことでも知られています。写真はテーブルランプですが、このデザインのボールが複数連なった天吊灯はジェネミッションの代表的な作品です。


1925年にはパリ万国博覧会、通称アールデコ博覧会にて最優秀賞を受賞しました。そしてその後、ジェネミッションは1935年に建造された客船ノルマンディーのために照明をデザインしたと言われています。


ジェネミッションの多くの作品にはラリックやドームのようにサインがありません。カタログ・レゾネや当時刊行されていたアート雑誌をもとに作家が特定されます。

by A

2020年9月26日土曜日

最高級アールデコヴィトリーン

アールデコ期に製造されたショーケースに中で、ひと際希少性の高い作品が存在します。

特徴を挙げるとすれば、
三次局面のオパックガラスで作られた天頂部
ミラー張りの背面と底面
ガラスの棚板
真鍮製のフレーム
木製の引出し付きの土台
内蔵された照明設備



これらの特徴を備えたショーケースはアールデコヴィトリーン、アールデコディスプレイケースもしくはただ単純にヴィトリーンと呼ばれ、日本に留まらず世界各国のコレクターの間で高い人気を博しています。ヴィトリーン(Vitrine)はフランス語で"ショーケース"の意です。中にはドームトップのガラスが破損しているものもありますが、それでもなおその希少性から流通しているものも存在するほどです。ドーム部分は3次局面という特殊な形状をしていますので、作り直すとしてもかなりの費用がかかることを覚悟しなければなりません。


アールデコヴィトリーンは20世紀初頭に宮殿や最高級ホテル、豪華客船のホールやロビーを活躍の場とし、その洗練されたフォルムでゲスト達を魅了していました。その内部に飾られていたのは、ケースに見劣りしない宝飾品や骨董品といった高級品の数々であったことでしょう。


しかし栄華を誇ったアールデコヴィトリーンも徐々にその数は少なくなり、今では大変貴重な存在となってしまいました。現存する数少ないヴィトリーンは高級ブティックで使われているのを見たことがある方もいるかもしれません。


現在当店に在庫しているもののメーカーは"Delarue-Picard"。ガラス扉の一番下にメーカーを指し示す真鍮プレートが取り付けられております。ですがこの種のアールデコヴィトリーンのメーカーはその他にも"Siegel Paris"、"Lena Paris"、"Joly&Co"等複数存在します。プレートが付いておらずメーカーが特定できないものもめずらしくはありません。


扉の施錠方法は少し独特。指の形に沿った形状をした持ち手を上方へずらすと扉が開き、閉じる時は扉を少し内部へと押し込みながら持ち手を下方へとはめ込みます。閉じる時はカチッと音がしますが、パズルのピースが嵌まるような感覚で隙間なく完全に密閉されます。中に展示されたものが空気が触れないように配慮されていると考えられます。

知る人ぞ知るアールデコヴィトリーン。これほどまでに均整のとれた美を持つショーケースは世界に数えるほどしかないかもしれません。

by A

2020年9月22日火曜日

機械仕掛けのエクステンションテーブル

 興味深い展開機構を備えたエクステンションテーブルが入荷いたしました。




一見するとドローリーフテーブルに見えますが、その違いは天板を引いてみるとよくわかります。ドローリーフテーブルは主天板の下にリーフとなる副天板が収められており、リーフを手前に引きだすことで主天板が下方向へと落ち込み天板全体が拡張します。

ですが今回入荷したこちらのエクステンションテーブルはどちらかというとサプライズテーブルに近しいもの。





天板を左右に引っ張ると内部に格納された副天板が自動的に写真のようにせりあがってきます。機械仕掛けで独自性のあるダイニングテーブルです。



内部には"Suprexe Table Patented"と記載されたプレートが見受けられます。スープレクセテーブルと名付けられたテーブルはG-Planで有名なイー・ゴム社が特許を取得しており、1920年代に発行された同社のカタログに掲載されています。カタログには"Suprexe"の意味が以下のように記述されています。

"The ends are well rounded to an elliptical shape. The leaves, positioned centrally in the table, automatically rise to the level of the top."

天板のエッジは楕円形。リーフは中央に格納され、天板の高さまで自動的にせりあがる仕組み。

一味違ったアンティークのダイニングテーブル。店頭にてぜひご自身で展開してみてください。

by A