2015年11月21日土曜日

ウエストウッドの藤田嗣治作品紹介 No.2

みなさまこんにちは。
今回は藤田嗣治作品を2作品ご紹介していきます。
ウエストウッドで取り扱っているのはリトグラフなので一点物というわけではありませんが、オリジナルの原版から刷られたもので、フジタの作品を比較的安価に購入できます。
是非この機会にフジタの作品をお手になさってはいかがでしょうか。

藤田嗣治サイン

左は1920代のサインで、右は50年代のサインとなります。
左のサインからは、漢字による表記とフランスに向けてFOUと表記したサインが、フランスで躍進していこうとするフジタの決意を感じさせます。
しかし、フジタのサインは晩年になると「嗣治」はなくなり、「FOUJITA」だけの表記になります。
戦争画の非難により、日本に失望したフジタはサインから日本人としての自分を切り捨てているのがよくわかります。



№8206 カナリアを持つ少女























この作品は年代不詳ではありますが、サインから戦争以前の作品であることがわかります。
木版画の作品で、線は太く力強い大胆な表現がされており、頭巾で顔の輪郭は隠れていますが、目は吊り目をして鋭い眼差しをしています。しかし、この少女にはどこか愛嬌と幸福そうな表情が伺えます。
頭巾衣服は迷いなくまた、力強いタッチで描かれておりフジタの筆の速さが伺えます。全体の色彩は赤ピンクを基調としており、背景頭巾だけでなく、くちびると爪もピンクに統一されています。ピンクの色合いに包まれる黄色のカナリアは優しく包まれています。
頭巾の縁の黒と衣服のグレーがカナリアを中心にして配色され、ピンクに包まれながらもその存在をありありと主張しています。
フジタの油絵作品は色彩豊かで、その配色の表現力の高さがうかがえますが、リトグラフでも同様に色彩のセンスの高さをありありと表現している作品です。


№8210 少女

このリトグラフにはフジタのサインがありませんがフジタの表現に見られる特徴を見ることができます。
単色で描かれ線は歪みながらも輪郭を描いています。横顔により目や輪郭の特徴を捉えずらいですが、額の丸みや指の膨らみ方はまさしくフジタのものです。
細かく表現された陰影は、少女の表情に影を落としていますが、口元の影が口角を上げている様にも見えています。肩は落ちているのに腕を掴んだ手には力が入っている様に感じます。
口元をとっても肩や腕をとっても二面性が伺える作品となっています。時代に翻弄されるフジタの当時の心境が伝わってくるようで、見る人のその時の感情に大きく左右される様な作品です。


今回の2作品はどちらとも少女像でしたが、フジタを知っていくには入りやすい題材かと思います。
次回もウエストウッドのフジタ作品をご紹介いたします。
みなさま少しずつフジタに興味を持たれているでしょうか。ブログを投稿している私自身はフジタ作品に少しずつ引き込まれているのを感じます。みなさまも興味をお持ちになった方がいらっしゃいましたらフジタ作品をご覧にお越しください。

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