2019年7月30日火曜日

シルバーウェア

高貴な印象のシルバー製のカトラリーやキャンドルスタンド。ちょっと飾ってあるだけでその場が華やぐのがその魅力。そんなシルバーウェアについて本日は取り上げたいと思います。



シルバーと一重に言ってもいくつか種類があります。
まずは代表的なスターリングシルバー。スターリングシルバーとは銀の含有率が92.5%のもの。それ以上でもそれ以下でもスターリングシルバーと名乗ることは許されません。残りは微量の銅が配合されています。

№8036 ペントレイ

そしてもう1つがブリタニアスタンダードシルバーこちらの銀の含有率は95.84%。スターリングシルバーよりも銀の比率が高くなっています。

ではなぜ100%ではなく銀の含有率を90%代に留めるのでしょうか。それは銀は非常に柔らかく100%では使用上不向きだからです。多少銅を混ぜたほうが硬度が高まります。

それゆえに純度が高くより柔らかいブリタニアスタンダードシルバーの方が精巧な細工が施されたシルバーウェアに比較的多く用いられる傾向があります。

またシルバープレートと呼ばれる銀メッキがほどこされた商品もあります。

№8120 アールヌーボープレート

今までに紹介した2点は純度が高く貴重であるがゆえに大変高額。シルバープレートの銀器は銅やニッケルの合金の表面に主に電気メッキ技術を用いて薄く銀を被せたものですので、比較的安価に生産できます。シルバーがより流通するようになったのはシルバープレートの功績もあるでしょう。

以上3種類のシルバーを紹介しましたが、それぞれホールマークにて見分けることができます。ホールマークにも複数種類はありますが、最も見分けやすいのがスタンダードマーク。純度を表すマークです。スターリングシルバーには歩くライオンのマーク(ライオンパサント)、ブリタニアスタンダードシルバーには女神ブリタニアのマークがそれぞれ刻印されています。シルバープレートにはマークはありません。

№8036 ペントレイ

ちなみにこちらの写真の製品はスターリングシルバー。アルファベット”e”のちょうど左隣りのものが歩くライオンのマーク。スターリングの証です。

他にも産地を見分けるアセイマーク、組合の検査を受けた日付を表すデイトレター、職人を見分けるメーカーズマーク、また銀器が課税対象のなっていた時代のものには徴税の証としてデューティーマークが刻まれています。

こちらの写真では3つのマークが並んだ一番左がアセイマーク。"e"がデイトレター、一番左の細長い刻印がメーカーズマークです。

こうしたマークは銀器の時代背景を読み解く大きなヒントを与えてくれます。ホールマークは解説書が出るほど多種多様。第一ステップとしてまずスタンダードマークから見分ける練習をすると銀器を見るのが少し楽しくなるかもしれません。

by A

2019年7月25日木曜日

幸福を掴む脚…ボウル&クロウの魅力

世界のスポーツの祭典、東京オリンピック開催まであと1年となりましたー。
スポーツと言えば・・・
今やアメリカ大リーグのエンゼルスで大活躍している野球選手、大谷翔平。
投手と打者の二刀流と言われていますが、それこそまさしく彼は野球の「ボール」で栄光や幸運を掴み取ったようなもの。そして日本人の私達に夢を与えてくれています。

実はアンティーク家具には「ボールを掴む」ということから連想させるようなデザインのモノがあります。

アンティーク家具のテーブルやキャビネットなどのいわゆる猫脚(ネコあし)はファンは多いのでよく知られていますよね。
そして【ガブリオールレッグ】と呼ばれる脚先に龍や鷲、獅子などの爪がボールをがっちりと掴んでいるようなデザインがあるのをご存知の方も多いのではないでしょうか?
それが「ボウル&クロウ」(Boll&Claw)と言われる脚のデザインです。

例えばこちらの【ハーフムーンカップボード】。
1910年代の縮み杢が美しいウォールナットです。
№3922 ハーフムーンカップボード

踏ん張っている4つの脚にご注目・・・これこそ「ボウル&クロウ」ですね。
節くれた脚の爪がガッチリとボールを掴んでいます。


3ドア式で金具もオリジナル、彫刻も施されていて風格が感じられます。
因みに中は両サイドには棚、中央には引出しが付いており収納も抜群でこんな感じです。





そしてこちらチッペンデールスタイルの【オケーショナルテーブル】。
マホガニーの美しい杢目と色味も素敵です。

№3215 オケーショナルテーブル

華奢にも見えるスラリとした4本のその脚先は・・・確かに珠を猛禽類の脚が掴んでいる
「ボウル&クロウ」のデザインです。





さらにこちらの重厚感あふれる【チッペンデールサイドボード】。
ふんだんに施されたアカンサスの彫刻も華々しくて素晴らしいですね。

№4466 チッペンデールサイドボード
 








どっしりしたサイドボードを支える実に8本もの脚はもちろん「ボウル&クロウ」です



 


ひとくちに「ボウル&クロウ」と言ってもそれぞれ微妙に違うので興味深いものです。
元々は古代中国で発祥してイギリスに伝わった装飾とされます。
ボウル=「玉」「珠」は知恵や財産を意味するため、それを縁起の良い動物が掴んでいることから、幸せを掴んで運んでくれる意味が込められているのですね。

現代で言えば有名なアニメの「ドラゴンボール」を思い出す方もいるかもしれません。
風水では運気を上昇させる、あらゆるものを手に入れることが出来る、などと言われているそうですよ。

ちょっと気になった家具の脚元を見て、もしも脚爪がガッチリとボールを掴んでいましたなら、もうそれは幸運を掴むチャンスが巡って来た暗示かもしれません!
歴史を刻んできたアンティーク家具が貴方に是非とも幸運をもたらしますように・・・。

スタッフ一同、ご来店を心よりお待ちしております。

by K

2019年7月16日火曜日

スタッキングブックケースとは

スタッキングブックケース(Stacking Bookcase)とは、積重ね式の本棚のこと。

№4126 スタッキングブックケース

個々が独立した箱になっており、こちらの写真はその箱が3段重なった状態となっています。1つ1つが独立性を持った構造ゆえ、この箱の1つを取り除くまたは足すことで高さをお好みにアレンジすることができます。

例えば、設置場所の上部にインターフォンがありこのままでは収まりきらないといった場合、3段のうち真ん中の1段を抜くことで、1段分の高さを下げることができます。

№4126 スタッキングブックケース

ちなみにこちらはヴェルニッケ社のもの。ヴェルニッケ社とは、1893年に設立されたキャビネットメーカー。このスタッキングタイプのブックケースを考案した会社です。

後にヴェルニッケ社はグローブ社と合併し、グローブ・ヴェルニッケ社となります。グローブ・ヴェルニッケ社はこのスタッキングブックケースの特許を取得し製造していました。アンティークのオフィス家具メーカーといえば、このグローブ・ヴェルニッケ社であると言われるほど名高い老舗メーカーです。

グローブ・ヴェルニッケ社のスタッキングブックケースにはオーク材が用いられていることが多いのですが、こちらはマホガニー製。赤みがかった深く艶やかな色味が高級感を演出する贅沢なオフィス家具です。


№4197 スタッキングブックケース

 こちらは幅と奥行が比較的狭い小ぶりのスタッキングブックケース。こちらは4段タイプでものを分けて収納したい時に活躍してくれます。


№4197 スタッキングブックケース


スタッキングブックケースの開け方は個性的。それぞれの段のガラス扉はフラップ式になっており、開ける際には下部についているつまみを手前上部へと持ち上げて、最後にブックケースの中に押し込みます。

中のものを整理しているときに扉が邪魔になることがないようにでしょうか。
よく考えられた構造をしています。


№4132 スタッキングブックケース

最後は5段のスタッキングブックケース。高さがあるため、一番上の段から下にかけてどんどん1つ1つの箱の高さがなだらかに低くなっていることがよくわかります。

№4132 スタッキングブックケース

開け方は上記2つのブックケースとは異なり観音開き。幅が広い分、フラップ式よりこちらの仕組みのほうが利便性が高いと言えます。

№4132 スタッキングブックケース

こちらはミンティー社製作のスタッキングブックケース。グローブ・ヴェルニッケ社と同様オフィス家具で有名なオックスフォードのキャビネットメーカーです。

スタッキングブックケースはアーツアンドクラフツの流れを汲んでいるため、彫刻や象嵌細工のような装飾はほとんどなく素材そのものを活かした造りになっています。

素材重視のシンプルなデザインの家具であるからこそ現代でも人気が高く、幅広く受け入れられているのではないでしょうか。

by A

2019年7月11日木曜日

キュートなチャイルドチェア・・・その2

各地で大雨洪水警報が出るなど大気の状態が不安定な日が続いています。
梅雨明けが待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?

さてキュートなチャイルドチェアのご紹介、2回目の今回は比較的お手頃価格でおしゃれなインテリアとしてお勧めしたいものをご紹介しましょう。

その名の通り、通常の家具類と比べてミニチュアサイズですが侮ることなかれ、シンプルで何とも味わいのある美しいフォルムの商品なんです。


そこでまずはこちら1900年代のチャイルドアームチェアです。

№4424 チャイルドアームチェア
100年の時を経てきたウォールナットの褐色が深みを増して、しっとりとした古艶をまとっています。


 

布地の座面も破れや汚れもなくキレイですから、飾っておいても絵になるチェア。
テディベアなどアンティークドールとの相性もぴったり。
もちろん小さなテーブルと合わせてお子様用としても利用出来ます。






次がこちら1880年代の英国伝統カントリースタイルのチャイルドチェアです。


№4138 チャイルドチェア

背もたれが「糸巻き棒」を意味する別名「スピンドルチェア」とも呼ばれるタイプ。





大人が座っても大丈夫なくらい、意外にしっかりとしたつくりですが、
何せサイズが可愛らしいため、ドールチェアや花台など
ディスプレイ用として人気の商品ですね。



 


玄関先のちょっとした荷物置きとしても重宝するチャイルドチェア

例えば「ファースト アンティーク」としてご出産やお誕生日のお祝いとして贈るのにも
オススメですよ。。。

子供用でも決してちゃちな感じがしない、まさに一生モノのプレゼントを探しに
いらっしゃいませんか?

スタッフ一同ご来店お待ちしております。

by K

2019年7月9日火曜日

ダンテスカとは

ダンテスカとは「神曲」で有名な詩人ダンテに由来するX脚のチェアのこと。
彼が愛用したことでこの名前が付きました。


№9969 ダンテスカ


X脚のチェアの起源は非常に古く、遡れば古代エジプトの折り畳み椅子に辿りつきます。元々チェアは王や貴族といった時の権力者によりその権威の象徴として使用されていたものですが、その優れた機能性ゆえ特にX脚の折り畳みチェアは重宝されました。

身分の高い人々に愛用されてゆく中で、このチェアは上流階級の椅子として地位を確立しました。


№9969 ダンテスカ

ダンテスカはルネサンス期に誕生したチェア。またフィレンツェで名高い修道士サボナローラも同様にX脚のチェアを愛用したことから同型のチェアはサボナローラチェアと呼ばれることもあります。


もともとこうしたX脚のチェアは実際に折り畳める機能が備わっていましたが、次第に折り畳みの機能が備わったX脚のチェアは数が減ってゆきました。今では機能ではなく、このデザインを指してダンテスカやサボナローラチェアと言います。


№9969 ダンテスカ



全体を覆うほどのアカンサスの荘厳な彫刻は華美なルネサンス様式を体現しています。この生命力あふれる作品は写真で見るよりも実物はかなり大きく、その威風堂々たる風格に圧倒されてしまいます。


是非とも店頭にて一度は目にしていただきたいチェアです。こちらのチェアはアラベスク柄のファブリックにて張替え済みです。玄関に置けばその主役として空間の格式を一段と上げてくれるでしょう。

by A