2023年6月4日日曜日

バルボスレッグの魅力

こんにちは。WESTWOOD ANTIQUESです。

今日はバルボスレッグについてお話しします。
英国の伝統的な装飾に「バルボスレッグ(BULBOUS LEG)」があります。
バルボスレッグの代表的な家具は、ダイニングテーブルですが、ダイニングチェアやサイドボードなどにもよく見られます。

バルボスレッグ(BULBOUS LEG)

ダイニングチェアの
バルボスレッグもともと、ドローリーフテーブルの脚に合わせて同じデザインで作られました。アンティークの場合は、テーブルとセットで見つかることはなかなか珍しいことなので、もし同じデザインで見つけることができたら、ラッキーです!

さて、バルボスレッグは、イギリスのゴシック様式の僧院の柱に使われていた球根のような形のデザインが始まり。
その後、球根型の脚に彫刻が施されるようになり、その豪華な装飾は、いろんな家具に用いられました。一般的には、16世紀から17世紀初めごろのエリザベス女王時代に流行したデザインです。


バルボスレッグの誕生は12~15世紀頃のチューダー様式です。

カップアンドカバーレッグ

当初は、カップが上下にくっついているようなデザインの「カップアンドカバーレッグ」という表面に彫刻などの装飾はなく球状のバルボスレッグでした。


16世紀後半になると、イギリスだけでなくフランスの家具の脚にもバルボスレッグが使われ流行しました。エリザベス様式のこの時代のバルボスは、球状の部分に彫刻が施されて、とても豪華なデザイン。
「繁栄」の意味の葡萄や、「長寿の象徴」のアカンサス(葉あざみ)など縁起の良いデザインが多く使われました。

葡萄とアカンサスの彫刻が施されたバルボス

ジャコビアン時代に入ると、貴族に好まれ、ルネッサンスの影響を受けた派手な装飾から、シンプルで上品なデザインへ。バルボスレッグは花瓶のような形へと変化しました。

花瓶型のシンプルなバルボス

時代に合わせていろいろ形を変えながら長く愛され続けているのが
バルボスレッグの最大の魅力でしょう。
ぜひ当店舗、オンラインショップにお好みのバルボスレッグを見つけに来てください。


東京都世田谷区北沢5-1-4
TEL:03-5452-8215
E-mail: info@westwood-jp.com
OPEN: 11:00-19:00 CLOSE: 水曜日

2023年5月27日土曜日

コンソールテーブルとは?

 こんにちは。WESTWOOD ANTIQUESです。

今日は当店でも人気のコンソールテーブルについてお話しします。


玄関ホールや広間などで使われていたコンソールテーブル。
「コンソール(console)」とは、フランス語で棚受けという意味のとおり、1~2本のブラケット(棚受け)に支えられた、棚のように壁に取り付けて使うテーブルでした。

棚受け

№9592 フレンチコンソール&ウォールミラー
壁にビスで固定するタイプのコンソールテーブル

17~18世紀には、フランスでは、豪華絢爛なバロック様式から、曲線的で華やかなロココ様式の時代に、さまざまなスタイルのコンソールテーブルを作りだしました。

ヴェルサイユ宮殿のコンソールテーブル

また、イギリスではトーマス・チッペンデールがチッペンデール様式のコンソールテーブルを制作し、高い評価を得ました。

チッペンデール様式のコンソールテーブル

コンソールテーブルが置かれた壁面には、絵画やミラーが掛けられ、天板の上には花瓶や時計、置物などの調度品が置かれ、飾るための家具として使われました。

また、電気がなかったこの時代、ミラーにキャンドルの灯りを反射させ、お部屋の中を明るく見せるコーディネートが人気となり、ヨーロッパ各地へと広まっていきました。

その後、中産階級にも普及していき、より機能的に、小ぶりなものに変化していきました。またマホガニーやオーク、チークなどの硬い木材が使われ、装飾が簡素になって、シンプルでスタイリッシュなものが多くなりました。

№4641 ジョージアンテーブル

№4716 コンソール

№4148 ペイントコンソール

アンティークのコンソールテーブルには、それぞれの時代の特徴が反映されています。
コンソールテーブルの歴史も、人々の生活や文化、職人の技術を表しており、歴史の重みを感じることが出来ますね。

今後もコンソールテーブルは、さまざまな用途で使われ続け、新たな歴史を刻んでいくでしょう。
是非店頭またはオンラインショップでコンソールテーブルをご覧になってください。

WESTWOOD ANTIQUES
東京都世田谷区北沢5-1-4
TEL:03-5452-8215
E-mail: info@westwood-jp.com
OPEN: 11:00-19:00 CLOSE: 水曜日

2023年5月26日金曜日

修理事例(ダイニングセット)

こんにちは。WESTWOOD ANTIQUESです。
今回はダイニングセット修理のご依頼をいただきましたのでご紹介させていただきます。
テーブル、ベンチ2つのダイニングセットで木材はおそらくゴムの木
30mmほどの集成材が天板、座面、背もたれに使われておりなかなかのボリュームです。


ダイニングセット

塗装の剥がれ
接ぎの緩み


今回のご依頼内容は

・経年で剥がれてしまった塗装の修復

・背もたれ締め付け

・集成材の接ぎの再接着

の3点です。


また今回はお客様のご希望でご自宅で使われているアンティーク家具の色に合わせて着色をさせていただきました。

ダイニングセット(修理後)

テーブル天板

赤みのあるベッコウ色からオーク材に見られる経年で現れる黄色みのある色に近づけました。

使われているアンティーク家具だけでなく床や柱との色のバランスを考えて今回の色を選んでいただいたため、お部屋にジャンルの異なる家具が一緒にあっても統一感があります。


Westwood Antiques
〒155-0031
東京都世田谷区北沢5-1-4
TEL:03-5452-8215
mail:info@westwood-jp.com 





2023年5月20日土曜日

ビューロー(Bureau)って?

こんにちは。WESTWOOD ANTIQUESです。

まだ5月なのに、暑い日があったり、また涼しくなったり体調管理が難しいこの頃。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?

今日は、ビューローについてお話しします。
ビューロー(Bureau)とは、引出しや本棚を組み合わせた書き机のことをいいます。

もともとは「ビューロー=引出し付きの事務机」という意味で、大きな扉部分がデスクに早変わりするのがビューローの特徴。

東インド会社が中国や日本に輸入した櫃(ひつ)が原型と言われていますが、イギリスの王政復古期に誕生し、書き物をするための家具が進化して収納にデスクを合わせた形になりました。

デスクほど場所をとらず、少しのスペースがあればチェアを置いて、そのままデスクとして使うことが出来ます。
使わない時は扉を閉めてしまえば、余計な物を隠してインテリアの雰囲気を損ないません。
また引出しや扉の収納がたっぷりなので、収納家具として大変便利です。

扉を開けたデスクのサイズはノートパソコンがちょうど収まる感じなので、最近はパソコンデスクとしてご使用される方も多いんですよ。

また、細かい仕切りが付いていて、文房具や手帳、ノートなど、細々したものをスッキリ収納できるのも嬉しいポイントですね。


そんなビューローですが、大きく分けると3つのタイプに分かれます。

   コンパクトサイズの「ライティングビューロー

一番基本形のもので、どこにでも置けるコンパクトなサイズが魅力です。
引出しが付いているものは「チェスト」としても使うことが出来ます。

№4201 スモールビューロー


№9126 ライティングビューロー


№9931 ビューロー


   本棚のついた「ビューローブックケース」

背が高く、収納力抜群の本棚が付いたビューローは本はもちろん、コレクションの収納にも最適。大きな家具ですが、ビューロー部分と本棚部分が分割できるので、移動や搬入が簡単です。

№3916 ビューローブックケース

№9124 Globe Wernicke
スタッキングビューローブックケース

   一台三役の「サイドバイサイド」

サイドバイサイドとは、ビューローの両側にガラス扉の本棚が付いた家具。
一台で、デスク、チェストの三役をこなします。
ビューローは小ぶりなので、簡単な読み書きにオススメです。

№4270 サイドバイサイド


ちょっと空いているスペースにビューローを置いて、扉を開くだけで自分だけの特別な書斎をお持ちになってはいかがでしょうか?


WESTWOOD ANTIQUES
東京都世田谷区北沢5-1-4
TEL:03-5452-8215
E-mail: info@westwood-jp.com
OPEN: 11:00-19:00 CLOSE: 水曜日

2023年5月19日金曜日

アンティーク家具の金物

アンティーク家具にさまざまな様式があるように、家具に使われる金物もそれぞれの時期に流行がありました。今回は引き手とキャスターについてご紹介します。

金物取手が作られ始めたのは16世紀後期です。

装飾性が重要視されるようになったのは17世紀後半この時期からさまざまなデザインのものが作られるようになります。ちょうどカロリアン様式やウィリアム&メアリー様式の時代です。
素材は鉄からオルモルへと変化し座金、取手の装飾が華やかになっています。

ちなみにオルモルとは金メッキを施す技術を指す言葉で、青銅、真鍮に金メッキを施した金具をオルモル金具と呼びます。


17世紀から19世紀に流行した引き手のデザイン
a,17世紀初期  b,c,18世紀初期  d,18世紀前期後半  e,h,l,i,j,18世紀後半  
f,m760年ごろ  g,n,18世紀中期  k,1780年以降

           


キャスターは16世紀から家具に取り付けられるようになはじめは木製の車輪でしたが、次第に革製、鉄製、真鍮製と順に切り替わっていきます。


特に18世紀後期から19世紀初期にかけて発達し、パッドフットや先細りの脚、小型家具にも取り付けられるようになりました。


またこれまで家具の雰囲気を損なわないように小振りで目立たない物がデザインされてきましたがライオン脚や葉模様ののようなキャスターがも作られました。



18世紀から19世紀に流行したキャスターのデザイン

       





Westwood Antiques
〒155-0031
東京都世田谷区北沢5-1-4
TEL:03-5452-8215
mail:info@westwood-jp.com 

2023年5月13日土曜日

チェアとテーブルのちょうどよい高さとは?

こんにちは。WESTWOOD ANTIQUESです。

今日はチェアとテーブルのちょうどよい高さについてお話します。
経験上、チェアの高さとテーブルの高さの差は28~30cm位をオススメしています。


アンティークのダイニングテーブルの高さは床から74~76cm位ですから、チェアの座面までの高さは45~47cm位がオススメです。

国内生産で流通しているダイニングテーブルの高さは床から70~72cm位。
チェアの座面は41~42cmで設計されています。
アンティークに限らず、海外のチェアとテーブルは、日本のものと比べて若干高めのものが多いです。家の中で靴を履くか、履かないかの生活習慣の違いや、平均的な身長差が関係するのでしょうね。

日本のダイニングテーブルにアンティークのチェアを合わせる場合や、逆にアンティークのダイニングテーブルに日本のチェアを合わせる場合、どちらか高すぎる方の脚をカットすることも承っておりますので、ご注文の際、お気軽にお問い合わせください。

(※デザイン上、カットをオススメしないものや、構造上カットが難しいものもございます。ご了承いただけますよう、お願い致します。)

WESTWOOD ANTIQUES
東京都世田谷区北沢5-1-4
TEL:03-5452-8215
E-mail: info@westwood-jp.com
OPEN: 11:00-19:00 CLOSE: 水曜日




2023年5月6日土曜日

鍵付きのアンティーク家具とキータッセル

こんにちは。WESTWOOD ANTIQUESです。

GWも始まったと思ったら、すでに終盤。
皆さんどこかにお出かけされましたか?
WESTWOOD ANTIQUESでは久しぶりにGWも営業し、たくさんのお客様にご来店いただいております。誠にありがとうございます。

さて、今日は鍵付きアンティーク家具についてお話します。
鍵付きのアンティーク家具には取っ手が付いていないことが多々あります。
この場合、鍵をひねって取っ手のように力を入れて引くと開閉が可能となります。

ただ鍵付きの家具はとても素敵なのですが、鍵をなくしたりするのが不安。
また差し込んだままの方が使い勝手は良いのですが、なにかのはずみで鍵が折れてしまう
可能性もありますので
使用の都度、鍵は取り外すことをお勧めします。

そうなると、小さい鍵の管理が難しいですね。
そこで活躍するのが「キータッセル」です。


鍵につけることで、どこに鍵があるのかなどがわかりやすくなりますし、
何といってもぶら下がっている姿の素敵なこと!

WESTWOOD ANTIQUESでは4色のキータッセルをご用意しております。

キータッセル(赤・白・グレー)
キータッセル(水色)

鍵付きアンティーク家具とキータッセルの組み合わせを楽しんでみられませんか?