本日はBaccarat(バカラ)のご紹介です。
バカラクリスタルと言えば知らない人はいない、と言ってもいいほどに世界に知れ渡ったクリスタルテーブルウエアのメーカーですね。その歴史は古く18世紀後半まで遡ります。
ヨーロッパにおけるガラス工芸の伝統からやや外れていたフランスでは、食文化が進みサロンが発達します。しかしサロンで使われる高級テーブルグラス類は、ほとんどがボヘミアなどのガラス工芸の先進地からの輸入で賄われ、その輸入量・輸入額は年を追うごとに増大していました。フランス国王ルイ15世はなんとかして自国産業を振興させ、自国生産でそれを賄いたいと考えました。
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フランス国王ルイ15世 |
フランス東部のロレーヌ地方バカラ村では、唯一の産業であった製塩業が原料採取の悪化や、度重なる戦争の影響で廃業に追い込まれていました。製塩業と、製塩に使用される燃料の薪炭を供給する林業の就労者たちを救済するため、新たな事業を開発しなければなりません。フランス東部のロレーヌ地方の統主モンモレンシー・ラバル司教は、バカラ村の豊かな森林と水資源を活用し、燃料を大量に使用する窯関連の企業を興すことを考え、高級クリスタル工場の設立を国王ルイ15世に請願し、特許権を賦与されます。(1764年)
翌年の1765年、バカラ村を流れるムルト川畔にガラス工業を設立、当初は設立者のアントワーヌ・ルノーの名を冠した『ルノー・ガラス工場』という名称でスタートしました。
そして3年後の1768年『バカラ・ガラス工場』に改名されます。
※バカラの歴史はルイ15世の認可を受けた1764年からとされてます。
その後幾度かその名称を変え、倒産し、買収されることを繰り返しながらも、工場は廃絶されることなく順調?な発展を遂げてゆくのです。
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ブランドマーク
1936年以前は紙製でした |
3世紀もの歴史を持ち現代につづくバカラですが、19世紀後半から20世紀前半に制作された繊細なカットやグラヴュール(銅製のウィールを使った彫刻技法)、エナメル彩など、職人たちの“手による仕事”が最も成熟していたころの作品を『オールドバカラ』と呼びます。
westwoodにもオールドバカラがございますので本日は3点ご紹介致します。
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№8163 HARCOURT ワイングラス |
バカラを語る上で外すことのできない名作『HARCOURT アルクール』
1828年に作り出されて以来、現代に至るまで作り続けられています。こちらのタイプはステムの長いワイングラスで被せガラスという技法で作られています。単色ガラスにはない紋様が楽しめます。
ステム部分をよく見ると太さが違います、これも手仕事である証しです。
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№8162 MOLIERE ワイングラス |
色鮮やかな赤が目を惹く『MOLIERE モリエール』
1890年から1920年まで生産されました。繊細な縦のカットが上昇する気泡のようで大変綺麗です。
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№8133 NANCY タンブラー |
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№8168 NANCY ピッチャー |
フランスロレーヌ地方の地名を冠した『NANCY ナンシー』
1867年から2004年まで生産されました。現在タンブラーは6脚在庫しておりますが底面のブランドマークがないものがあります。これは1936年以前に製作されたもので当時紙に印刷されたブランドマークが使用されており剥がれてしまったと推測されます。
オールドバカラのほかにも素敵なガラス器を多数取り揃えております、是非ホームページをご覧ください。
http://www.westwood-jp.com/ctg/e_glass.html
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