みなさまこんばんは。
桜が咲き、春を感じていたのもつかの間、
昨日は夏日を予報する地域もあった程暖かな、暑い日が訪れました。
春は柔らかな風が気持ち良く感じますが、
大気が温まると強風や豪雨も発生しやすくなります。
大気が安定するまで、お出かけの際には天気予報を参考に準備する必要がありそうですね。
さて今回は、入荷したばかりのフジタのリトグラフをご紹介いたします。
この絵は1964年に制作されたもののリトグラフで、フジタの中では後期の作品です。
以前から何度かフジタの作品をご紹介していますが、
この母子像は猫と同様にフジタの代表的なテーマと言えます。
フジタの作品の少女は、どれも表情がないとも言える程一貫しています。
無表情にもとれ、少し怖いくらいですよね。
突然話をずらしますが、人形が無表情であるのは、
向き合う人間の気持ちに同調できる様に作られているからです。
嬉しい時や悲しい時に、目に入る人形が正反対の表情を浮かべていたらどうでしょうか。
励まされると言った感覚もあるとは思いますが、ちょっとアンバランスではありますよね。
人形の表情は向き合う人の心を、鏡の様に映すものです。
これと同様にフジタが描く人物画の表情はなんとも中立的で、
向き合う人間に問いかけている様に感じます。
フジタの作品を見て初めに違和感を感じるのは、
作品を介して自分の感情が映り込んでいるからかもしれません。
次第に違和感は無くなり愛着を持てるのは、自分の感情に気が付けたからかもしれませんね。
フジタの話になるとついつい話が長くなってしまいます。
それほど影響力のある作家であり、偉大な人物なのです。
私自身フジタのファンですが、お客様の中にも多くのファンがいらっしゃいます。
今回この作品は、額の調整が必要で工房に出している最中ですが、
早くもフジタファンのお客様からお声を頂いております。
ブログで紹介できるのも売れてしまう前までですので、慌てて紹介しているところです。
一緒に猫のリトグラフも工房に出しているので、
額の準備が出来ましたらすぐさまご案内しますね。
アンティークや芸術作品は出物であり、一期一会と言われますが、
まさに今この出会いを大切にしたいと感じています。